パールネックレスの長さ どれが正解?
パールネックレスの長さには、チョーカー、マチネー、オペラ、ロープという4つの呼び名があります。
そもそも、この名前がちょっと紛らわしいですよね。
「結局、自分にはどの長さが正解なの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、パールの長さの種類と選ぶときの考え方、それにロングネックレスの着け方をスッキリ整理して解説します。
覚えづらい長さの名前
長さの名前、いろんな定義があってホントに紛らわしいのですが、大体下記のような感じみたいです。格好いい名前がついております。
- チョーカー 40cm (留め金具を入れて43cm)
- マチネー 60cm (留め金具を入れて63cm)
- オペラ 80cm (留め金具を入れて83cm)
- ロープ 120cm (留め金具を入れて123cm)
チョーカーは「首を絞めるもの」という意味があるので、首にぴったりする長さです。
マチネは昼の演劇などの興行のこと。一方オペラは夜に開催されます。
昼間用のネックレスが短め、夜用のネックレスが長めなのですね。
120cmのものはかなり長く、「ヒモみたいじゃん…」といわれるのでロープです(多分)。
大別すると、チョーカーとロングの2種類
正直なところ、真珠屋の著者も長さの名前は覚えていません。
普段は、「普通の長さ(チョーカー)」と「ロング」の2種類でざっくり意識しています。
そもそも、当社で販売している真珠のネックレスは「普通の長さ(チョーカー)」がほとんどです。
お客様にどの長さが似合うのか、いつも悩むのですが、それは、「普通の長さ(チョーカー)」をどう微調整するのか?ということで悩んでいます。
チョーカーの長さ調整について

チョーカーは、真珠部分だけで約40cm、留め金具(クラスプ)を入れて約43cmの長さです。
この長さで使われる方も多いのですが、1珠から4珠ほど外してお組みすることも多いです。
首の太さ、胸元の形などは、お一人お一人違うので、着けられる人に合わせて、微妙に調整しています。
40%ぐらいの方は、少し短くして再調整させて頂いています。
ややほっそりした方は2珠、かなりほっそりの方は4珠外すことが多い印象です。
すごく素敵な服も、裾や丈が合ってないと、オシャレに見えないですよね?
チョーカーの長さは、微調整することによって、見た目がすごく良くなります。
購入をお考えの方は、ぜひ長さ調整ができるお店をご検討ください。
当店では、長さ・大きさ・品質を確かめられるサンプルセットを貸し出しています。
長さは38-39cm/40.5-41.5cm/42-43cm/45-46cmの4本です。
ご自宅で実際に首元に合わせて、ご自分に合う長さを確かめてからお決めいただけます。
ロング各種類について

一方、ロングネックレスの場合は、1珠2珠増やしたり減らしたりしても印象は変わりませんので、微調整をすることはほとんどありません。
マチネー 60cm(留め金具を入れて63cm)

胸元あたりまで垂れる長さです。クラシカルな雰囲気で、ご高齢のお客様にご指定頂くことが多い長さです。
オペラ 80cm(留め金具を入れて83cm)

お腹の中ほどまで垂れる長さ。現代のロングネックレスといえば、この長さが定番だと思います。
ロープ 120cm(留め金具を入れて123cm)


腰の下あたりまで垂れる長さ。1連で使うには長すぎるので、2連に巻いたり、結んだりして使います。
真珠屋の都合で決まるネックレスの長さ
お店で良く見かけるロングネックレスの長さは、80cm(留め金具を入れて83cm)が多いと思います。
実は、この長さ、真珠屋にとって、都合の良い長さなのです。
真珠屋さんが、はじめからロングネックレスの長さで組むことは多くありません。
真珠はチョーカーの40cmが基本なので、その40cmを何本か組み合わせてロングネックレスを作ります。
なので、80cmか120cmの長さが、真珠屋にとっては非常に都合が良いのです。
80cmなら2本、120cmなら3本分の長さを使って、余ることも不足することもないからです。
「70cmや90cmの長さのロングネックレスはないの?」と疑問に思われる方もいることでしょう。
答えは、あまりありません。
なぜなら、70cmや90cmのネックレスは、真珠屋さんにとって都合が悪い長さだからです。
オススメの長さ
お店で良く見かけるロングネックレスの長さは、80cm(留め金具を入れて83cm)。
この長さ、実はすこし微妙です。なぜなら、2連にするには少し短いのです。
ですので、オススメの長さとしては、90cm(留め金具を入れて93cm)、身長がある方は、100cm(留め金具を入れて103cm)をオススメします。
これでしたら、2連にした場合でも、余裕を持って着けられます。
トレンド的にも、80cm-100cmぐらいの長さが、アクティブで今風にコーディネイトできるかと思います。


しかし、同じ理由で、90cmや100cmの長さも、真珠屋さんにとっては都合が悪い長さです。
逆にいうと、90cmや100cmのロングを作ってくれるお店は、お客様のことを考える良い店かもしれません。
ロングネックレスの着け方(一連・二重・三重・結ぶ)
80cm以上のロングネックレスなら、一連でそのまま垂らしても、二重に巻いても、結んでもかまいません。
普段使いなら決まりはありませんので、その日の服と気分で着け方を変えてください。
長さごとにできる着け方
| 長さ(真珠部分) | 一連 | 二重 | 結ぶ |
|---|---|---|---|
| 60cm(マチネー) | ○ 胸元まで | × | × |
| 80cm(オペラ) | ○ お腹の中ほどまで | △ チョーカーより短い丈 | △ |
| 90〜100cm | ○ | ○ ゆとりのある二重 | ○ |
| 120cm(ロープ) | △ 一連では長すぎる | ○ | ○ |
○ 向いている △ できるが、首まわりや好みによる × 向かない
表の長さは真珠部分だけの長さです。留め金具を入れると、約3cm長くなります。
手元のネックレスの長さが分からないときは、留め金具を外してまっすぐに伸ばし、メジャーで測ってみてください。
80cmで二重にすると、チョーカーより短い丈になります。首まわりによっては、少し短く感じるかもしれません。
二重や結ぶ着け方を楽しみたいなら、90cm以上が扱いやすい長さです。三重にするなら、150cmほどあると余裕があります。
一連で着ける

いちばん簡単な着け方です。留め金具は閉じたまま、頭からかぶります。
胸からお腹にかけて縦の線ができるので、シャツやニットの上に着けても重たく見えません。
二重に巻く

留め金具を外し、首のまわりに二周巻いてから、首の後ろで留めます。
内側が首元に、外側が少し下に並び、2本を重ねたように見えます。
結婚式や食事会など、少し華やかにしたい日に向く着け方です。
入学式・卒業式でも二重は差し支えありません。主役はお子さまなので、控えめにまとめると上品です。
三重に巻く

※写真は約150cmの淡水パールのロングネックレスです。
写真の150cmなら、三重にしても首まわりに余裕があります。
120cmでも巻けますが、いちばん内側が首に詰まって、窮屈に感じやすい長さです。
巻き方は二重と同じです。留め金具を外して首のまわりに三周巻き、首の後ろで留めます。
結ぶ

※写真は淡水パールのロングネックレスです。
留め金具は閉じたまま頭からかぶり、胸元より少し下の位置でひと結びします。
結び目から下が2本に分かれて垂れるので、一連よりも動きが出ます。
120cmのように一連では長すぎるネックレスも、結べば長さを整えられます。
結び目は、強く締めずにゆるく作ってください。
外したら結び目をほどき、平らにしてしまいます。
弔事では避ける
お葬式や法事などの弔事では、ロングも二重も避けるのが一般的です。
「悲しみが長引く」「不幸が重なる」に通じるためで、詳しくはパールネックレスの着用マナーにまとめています。
しまい込んでいる1本があれば
しばらく着けていなかったロングを久しぶりに着けるときは、その前に糸の状態を確かめてください。
ロングは80cmならチョーカーの2倍、120cmなら3倍の長さがあり、そのぶん重さも糸にかかります。
チョーカーよりも糸が切れやすいネックレスです。
端を持ってぶら下げたとき、珠と珠のあいだに5mm以上のすき間があいて糸が見えていたら、糸替えの時期です。
確かめ方は糸替えの記事にまとめています。
これから買うなら、糸替えなどのお手入れを長く引き受けてくれるお店を選ぶと安心です。
一連・二重・三重・結ぶの4通りを覚えておけば、同じ1本でも服に合わせて着け方を変えられます。
特別な日も、そうじゃない日も、しまい込まずに使ってみてください。
ロングネックレスのオーダー

上でも述べたように、パールのロングネックレスは、40cmのものを組み合わせて作ります。
ですので、ちゃんとした専門店であれば、店頭にロングネックレスがなくても、予算と長さ等の希望を伝えれば、作ってもらえるかと思います。
80cmのものを希望した場合、ネックレス2本分の価格、
120cmのものを希望した場合、ネックレス3本分の価格になります。
では、100cmのものはどうなるか?
残念ながら、120cmと変わらず、3本分の価格になるかと思います。
(割引してもらえる可能性はありますが…。)
ですが、100cmの長さで注文した場合、20cm分の残りの珠はもらえると思うので、
ブレスレットなどを作ってもらうのがオススメです。
ブレスレットは真珠16cmほどあれば作れます。
残る4cm分は、将来ネックレスの長さを調整したくなったときの予備にちょうど良い数です。
それでも残った珠は、、、
最後のひと珠まで活用してペンダントなどに作るのも良いかと思いますが、
材料費、加工費がかかりますし、コストに見合わないことが多いです。
潔く、将来の長さ調整用の予備として保管しておくのが良いと思います。
ほとんどはロングネックレス用の品質で作られる
店頭においてある40cmをつないで加工して作ってもらうと、
ぴったりの長さの、とても綺麗なロングパールネックレスができあがります。
しかし、価格はけっこう高くなります。。。
30万円のネックレスで120cmのロングネックレスを作ると、90万円になります。
結構しますよね。。。
ですので、通常は、ロングネックレス用のそれほど品質にこだわらない材料を使って作られる事が多いです。
チョーカー用とロング用の品質を比べてはいけない
チョーカー(40cm)は一生もので品質にこだわる方が多いですが、
ロングネックレスは、ファッション的に使われる方が多いです。
よって、ロングネックレスは、それほど高品質の真珠は使われない傾向があります。
ですので、チョーカー用とロング用の真珠の品質を同列で比較してはいけません。
それほど綺麗でない真珠も、ロングネックレスであればファッションとしてアリだと思います。
一方、ロングネックレスの品質でチョーカーを作ると、貧相な感じになるかもしれません。
オススメのロングネックレスの品質

では、どんな品質で作ればいいのか?
著者のオススメは、
「バロック(真円でないかたち)気味」で「キズあり」だが「テリ(輝き)の良い」真珠です。
真珠の美しさは、「テリ(輝き)」にあります。
「テリ(輝き)」のない真珠は、真珠ではありません。ただの白い球体です。

しかし、「キズあり」というのは、真珠に対して信念を持ったお店でないと販売できないかもしれません。販売説明が難しいというのがあるのだと思います。
市場には、「真円」で「キズなし」だが「テリ(輝き)の悪い」真珠が非常に多いです。
ぜひとも、真珠は「テリ(輝き)」重視でお選び頂ければと思います。
以上、ご参考にして頂ければ幸いです。
米国宝石学会(GIA)公認鑑定士・Graduate Gemologist(G.G.)
真珠科学研究所認定 テリマスター/真珠C・E(クリーニング&エステ)マスター
株式会社Inoue Pearl(イノウエパール)代表。
ダイヤモンド卸・宝飾メーカー勤務を経て、1965年創業の真珠専門店「有限会社井上真珠店」に参画。2016年、井上真珠店松山店からのれん分けして独立した。
生まれも育ちも愛媛県宇和島市。宇和島で真珠養殖を始めた祖父の代から続く、真珠ひと筋の家に育った。
厚巻き・強てりを品質の原則とし、自社基準を満たさない真珠は取り扱わない。ほぼ全商品に真珠科学研究所または真珠総合研究所の鑑定書を付与。無調色真珠をメインに扱う。累計1,000本以上のアコヤ真珠ネックレスを自社にて選別・販売してきた。
実店舗は愛媛県松山市。公式オンラインショップ(https://shop.i-pearl.co.jp/)でも販売中。



