真珠ネックレスの値段が分かる!鑑定書ランクの読み解き方
「どうやって選んだらいいのか、基準が分からない…。」と言われがちな真珠ネックレス。
確かに、自分の目で品質を見極めて、価格が高いか安いかを判断することは、一般の消費者には難しいかと思います。
しかし、専門の鑑定機関が発行した鑑定書を参考にすれば、一般の方でも、大体の品質と価格を簡単に見分けることができるのです。
ここでは、鑑定書のランクの優劣について、代表的なものを選んで解説してみようと思います。
- 信頼のおける2つの真珠鑑定機関
- 真珠ネックレスの値段が分かる 品質ランクのピラミッド
- 天女 最高級の代名詞
- 花珠 もっとも有名な品質ランク
- 真珠科学研究所と真珠総合研究所の花珠の違い
- 準花珠 いわゆる花珠落ち ダントツのコストパフォーマンス
- 良質真珠 価格で選ぶならコレ
- まとめ | 鑑定書のランクで選ぶのはベストではないがベター
信頼のおける2つの真珠鑑定機関
まず、前提として、信頼のおける鑑定機関を見極めないといけません。
鑑定機関は星の数ほどありますが、業者のいいなりになるダメな鑑定機関も多いです。
また、ダイヤモンドなどで有名な鑑定機関であっても、真珠の鑑定は特殊で難しく、真珠専門の鑑定機関を選ぶ必要があります。
では、どこの鑑定機関なら良いのか。。。
ズバリ、この二つを選べば間違いないです!
- 真珠総合研究所
- 真珠科学研究所
逆にいえば、この二つ以外が発行している鑑定書は意味がありません。
特に、お店が独自に発行している証明書などは、意味がないのでご注意下さい!(客観性の裏付けがないからです。)
真珠ネックレスの値段が分かる 品質ランクのピラミッド
ここでは、なるべく分かりやすくなるよう、真珠科学研究所、真珠総合研究所の代表的な鑑定書を元に、品質のランキングをしています。
天女・雪白珠 最高級の代名詞
真珠科学研究所が発行している、もっとも新しい品質ランクです。
花珠に合格した真珠の中から、「テリ」の優れた真珠だけに与えられる、最高品質の呼称です。
「オーロラ花珠」のなかから「テリ」が際立って良い真珠のみが選ばれます。
真珠総合研究所研究所では、「花珠」のなかから選りすぐった品質ランクとして、「雪白珠」(無調色)、「FIVE STAR」(調色)の鑑定書があります。
最高級の真珠にこだわる方には、「天女」「雪白珠」をオススメします。
花珠 もっとも有名な品質ランク
養殖業者の間では古くから、トップクラスの真珠のことを、先頭(ハナ=端)をとる珠という意味で、「端珠(ハナダマ)」と呼んできました。
いつしか、「端」の漢字は、美しさを連想させる「花」の漢字に置き換わり、「花珠」として知られるようになります。
現代では、鑑定機関が発行する鑑定書の品質ランクとして知られるようになり、高品質真珠の代名詞として知られるようになりました。
真珠総合研究所と真珠科学研究所が認めてた「花珠」は、ほぼ無キズで、形もまん丸ですので、欠点を見つけることは難しいです。
当店でももっとも人気のある品質ランクであり、有名な「花珠」の言葉はみんなが知っているので、贈り物にもよく使われます。
「花珠」であれば、使っていて「ここにキズがある…。」などと後悔することは少ないのではないでしょうか?
真珠科学研究所と真珠総合研究所の花珠の違い
- 専門家の経験的な目による判断も含める「真珠総合研究所」
- 科学的な数値を重視する「真珠科学研究所」
当店のプロの目による品質評価に近いものは、「真珠総合研究所の花珠」です。
現在の「真珠科学研究所の花珠」は、科学的検査基準(見た目では分かりづらい要素)が厳しく、価格が高価になってしまいます。
当店では、コストパフォーマンスに優れた「真珠総合研究所の花珠」をメインに扱っています
準花珠 いわゆる花珠落ち ダントツのコストパフォーマンス
花珠の一つ下のランク。いわゆる「花珠落ち」です。
「テリ」は花珠と変わらないことが多いのですが、少しの「キズ」と、少しだけまん丸で無い真珠が混じっています。
また、若干「連相」が悪いこともあります。
全体的に、少しの欠点がありますが、身につけてしまうと分からない程度の欠点ですので、もっともコストパフォーマンスが良いランクだと言えます。
良質真珠 価格で選ぶならコレ
「キズ」「形」「連相」とも、少し難があります。
このランクになると、一般の方でも、欠点に気づくことが多いです。
ただ、「巻き」は合格点ですので、真珠の輝きは十分に楽しむことができます。
キズなども、ご自分では分かると思いますが、少し離れた第三者から見て分かるほどではないので、予算に合わせてお選び頂ければと思います。
これ以下の品質については、あまり良くないことが多いので、正直オススメできません。
まとめ | 鑑定書のランクで選ぶのはベストではないがベター
以上、ざっくりと鑑定書のランクによる見分け方を解説してみました。
とはいえ、実は、
真珠は生物が生み出した宝石なので、工業製品のように均一な品質ではありません。同じランクであっても、一本ごとに個性があります。
ですので、本当は、実物を見比べて選ぶのがベストです。
しかし、その個性の差は一般の方が見分けることは難しいです。
また、一本ごとに個性があるということは、業者が低品質の真珠を高額で売りつける格好の理由となっていることも事実です。
(展示会などでは、「キズは個性ですよ。巻きは最高級ですよ」などといって高値で販売することがあります。)
でので、鑑定書の品質ランクでざっくりと選ぶことは、ベストではないかもしれませんが、比較的ベターな選び方ではないかと思います。
以上、真珠を選ぶ際の参考として頂ければ幸いです!
アメリカ宝石学会公認鑑定士(GIA.G.G.)
Gemological Institute of America Graduate Gemologist
ダイヤモンド卸、宝飾メーカー勤務を経て、創業60年の老舗、井上真珠店に勤務。現在は暖簾分けされた宇和島イノウエパールの代表。
パール専門小売店にて「お客様一人一人と向き合う接客」をモットーに、お客様の希望や体型をヒアリングの上、仕入れから最終仕上げまでを行い、累計1,000本以上のネックレスを販売してきました。