パールネックレスの余り玉のリフォームについて
真珠ネックレスの長さを調整して余ってしまった真珠。
そんな余り玉も、うまく活用すれば、別のジュエリーにリフォームすることが可能です。
ここでは、真珠ネックレスの余り珠の活用方法について解説していきます。
- まずは予備の真珠として保管することを検討する
- 伸ばすときに解体することも可能
- 余った珠は貫通穴なので制限がある
- 穴をふさぐか、そのままにするか
- スルーペンダントにリフォームする
- 通常のペンダントにリフォームする
- ピアスにリフォームする
- イヤリングにリフォームする
- 使用する地金について
まずは予備の真珠として保管することを検討する
真珠ネックレスは通常、金具を入れると43cmで仕上がります。
細身の方などは、少し長いと感じられて、何珠か外して仕上げることがあります。
そうすると、数玉あまってしまうことになります。
「もったいない!全部使ってなにか作ろう!」と思われるかもしれませんが、ちょっと待って下さい。
まず第一に考えるべきことは、長さ調整用の予備の真珠として保管しておくことです。
若い間はほっそりとした体型も、年を重ねると、ふっくらとしていくことがあります。
そんなとき、調整用の予備珠を持っておくと、スムーズに長さを伸ばすことができます。
ですので、2珠分くらいは、長さ調整用として保管することをおすすめします。
- 将来的に体型が変わらないと思うとき
- 予備分2珠以上の真珠を外したとき
以上のような条件のときに、別のジュエリーへのリフォームを検討すべきだと思います。
伸ばすときに解体することも可能
かといって、やはり予備にするにはもったいない、と思われる方もいらっしゃるかと思います。
そんなときは、とりあえず別のジュエリーへリフォームしておいて、
必要なとき、リフォームした真珠を解体して、伸ばす用の珠として使う、ということも可能です。
ただ、その場合は、穴をあまり広げないような加工でリフォームするようにして下さい。
詳細は後述しますが、スルーペンダントなどは穴が大きくなるのでNGです。ぶら下がりのピアスやイヤリングがおすすめです。
余った珠は貫通穴なので制限がある
通常、真珠は片穴という、裏面にだけ穴が空いた状態で市場に出回ります。
その裏面の穴に、金具から突き出た針の部分を挿入して、ジュエリーとして加工していきます。
一方、ネックレスの余り珠は、両穴という、裏から表へ穴が貫通した状態です。
通常通りに加工すると、正面に穴が出てきてしまいます。
よって、正面の穴の部分を目立たないようなジュエリーにリフォームすることが必要です。
余り珠のリフォームに向いているジェエリー向いていないジュエリー
ネックレスの余り珠は、穴が貫通した状態です。
リングや、正面を向く直結タイプのピアスやイヤリングは、穴が正面に出てきてしまいますので、不向きです。
穴を下に向ける、ペンダントや、ブラタイプのピアスやペンダントが適しています。
余り珠を活用するときに適しているアイテム
- ペンダント
- イヤリング
- ピアス
余り珠を活用するときに適していないアイテム
- リング
- ブローチ
- タイピン
穴をふさぐか、そのままにするか
表面に空いた穴をふさぐための専用の金具が存在します。
WG、K18、プラチナ、シルバーなど各素材であります。
しかし、金具が悪目立ちして、かえって穴が目立つようになってしまうので、
当店では、穴は空いたままにしておくことをおすすめしています。
スルーペンダントにリフォームする
貫通した両穴の状態を活かす、スルーペンダントにリフォームすることは、よく行われています。
しかし、ご注意頂きたいことは、
スルーペンダントにリフォームするとき、チェーンを通すために、大きな穴を開け直す必要があることです。
大きな穴を開け直してしまった真珠は、もとのネックレスに戻すことが難しくなります。
また、スルーペンダントには、真珠の穴のまわりが汚れやすいという欠点があることもご承知下さい。
カットボールチェーンのパールスルーペンダント
通常のペンダントにリフォームする
チェーンにバチカンという金具を通し、その金具に真珠を着ける、通常タイプのペンダントにリフォームすることも可能です。
こちらは、(金具によりますが)大きな穴を開ける必要がなく、もとのネックレスに戻すことが比較的かんたんです。
お手持ちのチェーンを使用される場合は、チェーン無しバチカンのみの加工も可能です。
通常のタイプのパールペンダント
ピアスにリフォームする
ブラタイプのピアスにリフォームすることは、オススメです。
穴が下の部分に出ますが、あまり目立たないようになります。
スタンダードなタイプのぶら下がりパールピアス
クサリで長く下がるタイプ(10mm)のパールピアス
フープタイプのパールピアス
イヤリングにリフォームする
ブラタイプのイヤリングも、ピアスと同じくオススメです。 穴が下の部分に出ますが、あまり目立たないようになります。
スタンダードなタイプのぶら下がりパールイヤリング
クサリで長く下がるタイプのパールイヤリング(10mm)
フープタイプのパールイヤリング
使用する地金について
基本的には、ホワイトゴールドかプラチナを使用します。
もちろんK18イエローゴールドに変更することも可能です。
シルバーについては、当店では扱っておりません。
まとめ
以上、余り珠の活用について解説してみました。
ご参考にして頂ければ幸いです。
アメリカ宝石学会公認鑑定士(GIA.G.G.)
Gemological Institute of America Graduate Gemologist
ダイヤモンド卸、宝飾メーカー勤務を経て、創業60年の老舗、井上真珠店に勤務。現在は暖簾分けされた宇和島イノウエパールの代表。
パール専門小売店にて「お客様一人一人と向き合う接客」をモットーに、お客様の希望や体型をヒアリングの上、仕入れから最終仕上げまでを行い、累計1,000本以上のネックレスを販売してきました。