真珠の大きさについて
真珠の一番分かりやすい違いは、大きさの違いです。 大きさが変われば、見た目の印象は全く違ったものになるので、真珠を選ぶ際には、まず最初に大きさを選ぶことが大切です。
ここでは、そんな真珠の大きさについて、真珠のサイズが決まる要因、真珠貝の種類ごとの大きさ、年代別のオススメの大きさなどについて、解説していこうと思います。
- 真珠の大きさが違う理由
- アコヤ真珠の大きさ
- 南洋白蝶真珠の大きさ
- タヒチ黒蝶真珠の大きさ
- 淡水真珠の大きさ
- 自分の好きなサイズを選ぶ
- 20代から30代の方にオススメの大きさ
- 40代から50代の方にオススメの大きさ
- 60代以降の方にオススメの大きさ
- 結婚式などのお祝い事にオススメの大きさ
- 入学式卒業式にオススメの大きさ
- お葬式にオススメの大きさ
- 一粒パールネックレスにオススメの大きさ
- リングにオススメの大きさ
- パールピアスにオススメの大きさ
- まとめ
真珠の大きさが違う理由
養殖真珠では、真珠の元となる「核」のサイズによって、出来上がる大きさが決まります。
小さい真珠には小さい核を使い、大きい真珠には大きい核を使います。
サイズは、偶然によって決まるわけではなく、養殖業者によって計画的に決められるのです。
しかし、どんなサイズでも勝手に作れる訳ではありません。
大粒の真珠を作ると、真珠貝に大きな負担がかかり、養殖の途中に貝が死んでしまう可能性が高くなるからです。
また、小さいサイズですと、販売価格が安いので、手間の割に儲けが少なくなります。
よって必然的に、貝の種類によって作られるサイズの割合は決まってきます。
国内産のアコヤ真珠の場合ですと、7mmから8mmぐらいの真珠の生産量の割合が多く、それ以上それ以下は、生産量の割合が低くなっています。
アコヤ真珠の大きさ
国産で定番のアコヤ真珠は、7-8mmの大きさが多く生産されています。
最小のものでは3mm程度。最大は11mm程度です。
10mm以上のものでキレイな品質は、ほとんど出てきません。
1980年頃、パールネックレスは7-7.5mmが主流の大きさでした。
養殖技術の向上や、品種改良の結果、現在では、8-8.5mmが主流となっています。
3mmから4mm程度のものは「ベビーパール」と呼ばれ、
8mm前後のものとは違い、カジュアルな服装に使われることが多いです。
南洋白蝶真珠の大きさ
大粒が魅力の白蝶真珠は、10ミリ以上のサイズが主流です。
11-13mm程度の大きさがよく流通しているようです。
タヒチ黒蝶真珠の大きさ
美しい黒色のタヒチ真珠は、10mm以上がメイン。
市場に出回っているのも、11-13mm程度が主流です。
淡水真珠の大きさ
中国産がほとんどである淡水真珠は、5mm以下の小粒真珠が有名です。
ですが、現在は南洋真珠のような10mm以上のものもポピュラーであり、幅広いサイズが存在します。
自分の好きなサイズを選ぶ
真珠の大きさの大小は、品質の優劣とは関係ありません。
大きければ良い、というものではないので、自分の好みに合わせてサイズをえらぶべきだと思います。
以下、サイズ選びの参考となるよう、
著者が1,000本以上のネックレスを販売してきた経験の範疇ではありますが、
サイズ選びの傾向を、国内産のアコヤ真珠を中心に書いていこうと思います。
20代から30代の方にオススメの大きさ
真珠のネックレスは一生に渡って使うことが多いので、若い頃の好みだけに合わせて購入することは危険です。
とはいえ、好みに合わないのものを使うことも良くないと思いますので、
迷ったら少し大きめを買う、ぐらいの気持ちで決めるのが良いかと思います。
一番メジャーな8-8.5mmを購入される方が一番多く、少し小さめの7.5-8mmの大きさ目を選ばれる方も多いようです。
20代から30代の方は、アコヤ真珠を選ばれることがほとんどです。
40代から50代の方にオススメの大きさ
一番多く選ばれるのは8-8.5mm。次に8.5-9mmを選ばれる方が多いです。
8-8.5mmが一番良く似合うのは40-50代の方であり、華やかに身に着けたい方は、8.5-9mmを選ばれる方が多いようです。
定番としてアコヤ真珠を選ばれる方が多いですが、タヒチ黒蝶真珠や南洋白蝶真珠を選ばれる方もいらっしゃいます。
60代以降の方にオススメの大きさ
60代以降になると、好みが二分される印象です。
- 「目立たないものが良い」と小さめを選ばれる方
- 「大きなものじゃないと似合わない」と大きめを選ばれる方
1の方は7.5-8mmや7-7.5mmを選び、2の方は8.5-9mmや9-9.5mmを選ばれます。
60代以降の方は、アコヤ真珠を選ばず、タヒチ黒蝶真珠や南洋白蝶真珠を希望される方も多く、好みが多様化する印象です。
結婚式などのお祝い事にオススメの大きさ
定番アコヤ真珠の7.5-8mm、8-8.5mm、8.5-9mmを上品に着けられる方が多いようです。
ただ、8-8.5mmのチョーカーですと華やかさが足りない感じもあるので、
他のジュエリーを組み合わせたり、南洋白蝶真珠や、ロングパールネックレスを使われるかたも多い印象です。
入学式卒業式にオススメの大きさ
定番の7.5-8mm、8-8.5mm、8.5-9mmのパールネックレスが入卒業式にピッタリです。
地味すぎず派手すぎず着用することができます。ブローチなどと合わせて使われるかたも多いようです。
お葬式にオススメの大きさ
7.5-8mm、8-8.5mmのアコヤ真珠を大きさを着けられる方が多いようです。
あまり大きいサイズは、目立つからと敬遠されることが多い印象です。
タヒチ黒蝶真珠は、大きいものが普通ですので、11mmから13mm程度のものが使われます。
一粒パールネックレスにオススメの大きさ
- アコヤ真珠 8mmから9mm
- 南洋白蝶真珠とタヒチ黒蝶真珠 10mmから13mm
一粒パールのネックレスでよく使われる大きさは、大体以上のような感じではないでしょうか。
カジュアルに使う一粒パールネックレスでは、5mmから7mm程度のものも使われます。
リングにオススメの大きさ
- アコヤ真珠 8mmから10mm
- 南洋白蝶真珠とタヒチ黒蝶真珠 10mmから15mm
リングは、一粒パールネックレスとほぼ同じ大きさが使われますが、 高額な品が多いのと、デザインによって傷を隠すことが可能なので、ごく大粒の真珠が使われることがあります。
カジュアルなリングでは、ベビーパールというごく小粒の真珠もよく使われます。
パールピアスにオススメの大きさ
- アコヤ真珠 7mmから9mm(カジュアルに使うなら3mmから6mm)
- 南洋白蝶真珠とタヒチ黒蝶真珠 9mmから12mm
ピアスとして使う真珠のサイズは様々ですが、定番は8mm前後のサイズではないかと思います。
南洋白蝶真珠とタヒチ黒蝶真珠は、そもそも小さいサイズはあまりないので、10mm以上を使うことがほとんどです。
近年は、3mmから4mm程度のベビーパールを使うことが増えてきました。
まとめ
以上、真珠の大きさについて解説してみました。
現在のパールネックレスの定番の大きさは、8-8.5mmだといえますが、 好みや体型に合わせて、様々な選択が可能です。
サイズ選びの参考になれば幸いでございます。
アメリカ宝石学会公認鑑定士(GIA.G.G.)
Gemological Institute of America Graduate Gemologist
ダイヤモンド卸、宝飾メーカー勤務を経て、創業60年の老舗、井上真珠店に勤務。現在は暖簾分けされた宇和島イノウエパールの代表。
パール専門小売店にて「お客様一人一人と向き合う接客」をモットーに、お客様の希望や体型をヒアリングの上、仕入れから最終仕上げまでを行い、累計1,000本以上のネックレスを販売してきました。