パールピアスの種類と選び方
パールピアスが欲しいけど、どうやって選べばいいのか分からない!
そんなふうに思われる方のために、パールピアスの種類と、選び方を解説していこうと思います。
大きく分けて、以下の3つのパートについて解説します。
- デザイン別の解説
- 使われる真珠について
- ゴールドやシルバーなどの素材について
パールピアスのデザインについて
ざっくりと分けて、パールピアスには2つのタイプがあります。
- 耳たぶにぴったりとくっつくタイプ(スタッドピアス)
- 揺れるタイプのピアス(揺れるピアス)
これら2つのタイプのなかでも、真珠だけのシンプルなスタイルと、ダイヤなどを使ったデザインの入ったスタイルがあります。
それぞれについて、解説していこうと思います。
①スタッドパールピアス
耳たぶにぴったりとくっつくスタッドピアスは、
パールピアスのもっともクラシックで、定番的なスタイルです。
落ち着いた印象があり、公式な場所や、お仕事などでも使いやすいスタイルです。
①-1.真珠だけのシンプル。一粒スタッドタイプ
スタッドピアスのなかでも、真珠だけを使ったスタイルは、一番人気があるスタンダードジュエリーです。
真珠だけが耳元に輝く一粒タイプのピアスで、真珠の品質がもっとも問われます。
冠婚葬祭で使えるもっとも正当なスタイルで、
特にお葬式では、真珠だけのシンプルなスタッドピアスを使うのがマナーです。
①-2.ダイヤ入りなどデザインスタッドタイプ
真珠だけのスタッドピアスに、ダイヤモンドなどで装飾を施したスタイルです。
パールピアスには、比較的シンプルなデザインのスタイルが多いようです。
②揺れるパールピアス
耳から少し垂れて揺れるパールピアスは、動きがあって、華やかな印象です。
耳元のすぐ下から垂れる短めや、チェーンなどで伸ばして垂れる長めなど、長さが様々です。
また、ダイヤモンドなどを使った個性的なデザインも多いタイプです。
耳に差し込む部分の種類によって、4つに分類して解説していきます。
②-1.スタッド(キャッチ式)
耳に差し込む部分と、キャッチ部分がセットになっています。
安定して装着することができる、クラシックなタイプです。
②-2.フック
耳に引っ掛けるだけのごくシンプルなピアス。
カジュアルなイメージで普段使いにおすすめです。
②-3.チェーン
揺れる部分が長く、華やかなイメージのタイプ。
安定感に欠けますが、動きがある美しいピアスです。
②-4.フープ
耳たぶでカーブを描くタイプ。
耳の後ろの部分までデザインが続いていて、後ろ姿も美しいピアスです。
ピアスを落とさない方法
落としづらいキャッチを選ぶ
昔からある「B」みたいな形の金属のキャッチ、これはとても外れやすいです。
現在は、「B」の金属キャッチを、シリコンでコーティングしたシリコンキャッチがあります。
こちらが、着け外しが容易で、外れにくい金具ですので、おすすめです。
無駄に高価なキャッチもありますが、金属キャッチをシリコンコーティングしたもので、十分効果がありますので、こちらをおすすめします。
服の脱ぎ着に気をつける
ピアスを落としてしまうときは、服を脱ぎ着するときが圧倒的に多いです。 また、揺れるタイプのピアスは特に、引っかかって落としてしまうことが多いです。
以下の2点について、気をつけて下さい。
- 首からスッポリ脱ぎ着するときは、ピアスを外す。
- スカーフやマフラーを付け外しするときは、注意する。
パールピアスに使われる真珠について
パールピアスの主役となる、真珠の違いについて解説します。
品質にこだわったパールピアスを検討しているときは、特に大事なポイントとなります。
パールピアスに使われる真珠の種類
もととなる貝の違いによって、真珠には様々な種類が存在します。
アコヤ真珠
日本で生産される王道のパールです。
中程度の大きさと、まんまるの形が魅力。透明感のある美しい輝きを持ちます。
日本での礼装、喪服などの正式な場面では、アコヤ真珠が主に使われます。
特に、一粒のスタッドタイプは、様々なシーンで使える定番のジュエリーです。
淡水真珠
主に中国で生産される安価なパール。
個性的なバロックパール(形のいびつな真珠)が多い。
揺れるタイプのアクセサリーによく使われます。
南洋白蝶真珠
タイやオーストラリアで生産される大粒の真珠。
10mm以上の大粒がほとんどで、真円からバロックまで様々な形があります。
真円のものはアコヤ真珠と同じく、一粒のスタッドタイプとして使われます。
白系、グレー系の色が多い。
タヒチ黒蝶真珠
主にタヒチで作られる、黒色で大粒の真珠。
南洋白蝶真珠と同じく、10mm以上の大粒がほとんどで、真円からバロックまで様々な形があります。
黒色ものがメインですが、ピーコックグリーンと呼ばれるグリーンや、グレーのものなど、様々な色があります。
コットンパール
人工的に作られた真珠の偽物。通常のフェイクパールより値段が高く、アクセサリーに使われます。
フェイクパール
いわゆる偽物の真珠。ごくごく安いアクセサリーに使われる。
貝パール、花珠貝真珠など、紛らわしい名前で販売しているので注意が必要です。
パールピアスに使われる真珠の品質
ピアスに使われる真珠の品質については、大きく2つに分けて考えてみれば良いかと思います。
- パールが主役のピアス
- デザインが主役のピアス(パールは脇役)
パールが主役であれば、ある程度パールに品質にこだわって選んだほうが良いかと思います。
対して、デザインが主役であれば、パールの品質にはそんなにこだわる必要はないかもしれません。
真珠の大きさ
3mm程度から18mm程度まで、様々な大きさの真珠があります。
ピアスによく使われるアコヤ真珠では、7ミリから8ミリくらいが一般的です。 一粒のスタッドピアスの場合、ごく大雑把に分けると、以下のような感じになるかと思います。
- ベビーパール 3ミリくらい
- 小さめ 5ミリくらい
- 普通 8ミリくらい
- 大きめ 10ミリくらい
- 極大粒 13ミリくらい
真珠の色
真珠といえば、うっすらピンクが入ったホワイト系が代表的ですが、
ブラック、鮮やかなピンク、ゴールドなど、様々な色があります。
ですが、定番の色は、アコヤ真珠に代表されるホワイト系です。
ブラック、ピンク、ゴールドなどは、正式なシーンではNGの場合もありますので、ご注意下さい。
真珠の形
一般的には、まんまるな形が良いとされ、丸に近いほど価格が上がります。
バロックとよばれる、形のいびつな真珠も人気です。特に、涙型のバロック真珠は、ピアスでよく使われます。
ですが、バロック真珠の大部分は、じゃがいものように不揃いな形であり、涙型のようなきれいなバロック真珠は希少です。
きれいな涙型のバロック真珠は、まんまるの真珠よりも高価になることもあります。
パールピアスに使われる金具の素材
ピアスは、アクセサリーの中でも、もっともアレルギー反応がでやすいアイテムです。
ぜひとも、素材にはこだわって選んで頂ければと思います。
特に、最初にピアスに穴を開けて、表皮化するまでの期間は、アレルギーが出やすくなります。
表皮化するまでの一月ほどは、医療機関で扱っているファースピアスなどを使用するようにして下さい。
プラチナ
もっとも信頼のおける貴金属。よほどの方でなければ、プラチナでアレルギー反応がでることはありません。 一般的なPT900であれば、十分信頼がおけます。高価な素材で、ジュエリーで一般的に使われます。
イエローゴールド
貴金属の代表である、いわゆるゴールドです。ゴールドとそれ以外の割金の割合のによって、24金(ゴールド100%)18金(ゴールド75%)10金(ゴールド 42%)などがあります。
24金は安定性が低く加工しづらいので、18金が一般的に使われます。
18金であればアレルギーの心配はほぼないですが、アレルギー原因の銅がごく僅かにふくまれています。
ホワイトゴールド
いわゆるゴールドに、割金で白っぽくして、ロジウムメッキをかけたものをホワイトゴールドといいます。
アレルギーの起こりにくい安全な素材ではありますが、アレルギーの原因となるニッケルとパラジウムがわずかに含まれています。
シルバー
シルバーは、よく知られる代表的な貴金属であり、アレルギーのおこりずらい金属です。
そのままだと変色しやすいので、アクセサリーに使われる際はロジウムメッキを施すことが多いです。
ロジウムメッキの下地として、アレルギー原因になりやすいニッケルメッキをつかうことがあるので、注意が必要です。
有名な素材ですが、金やプラチナと比べて、安価な貴金属です。
チタン
もっともアレルギーになりにくい金属といわれ、昨今、チタンを使うアクセサリーが増えています。
黒っぽい銀色で、見た目はよくありません。ゴールドなどに比べると安価です。
合金メッキなど
ここまでご紹介した金属は貴金属であり、比較的アレルギーになりにくい素材です。
しかし、見た目はプラチナやゴールドと同じ色をしていても、貴金属を使っていない、合金の素材も数多く存在します。
金属アレルギーの多くは、安価な合金やメッキのアクセサリーを着けることが原因で引き起こされるようです。
ピアスは特に金属アレルギーを引き起こしやすいアイテムですので、プラチナやゴールドなど、しっかりとした貴金属を使うことをおすすめします。
パールピアスのアレルギー反応について
1万円以上のしっかりとしたパールピアスの多くは、プラチナ、ゴールド、ホワイトゴールドを素材にして作られています。
これらの貴金属であれば、アレルギーの心配はほぼないかと思います。
しかし、安価なアクセサリーには、合金やメッキなど、アレルギーを起こしやすい素材を含んでいる場合があります。
ピアスは直接肌の中にいれるものなので、プラチナ、ゴールドなどの貴金属の素材を選ぶことをおすすめします。
アレルギーになりにくい順番は下記のようになります。
チタン > プラチナ > イエローゴールド > ホワイトゴールド > ピンクゴールド > シルバー >>> メッキ合金など
まとめ
以上、パールピアスについてまとめてみました。
- デザインについては、定番的な一粒ピアスと、デザイン重視のタイプがある。
- 品質にこだわったパールは、定番的な一粒ピアスのデザインが多い。
- アレルギーが起こりづらいプラチナやゴールドが素材としておすすめ。
このようなことを念頭に、お気に入りのパールピアスを選んで頂ければと思います。
ご参考になれば幸いです。
アメリカ宝石学会公認鑑定士(GIA.G.G.)
Gemological Institute of America Graduate Gemologist
ダイヤモンド卸、宝飾メーカー勤務を経て、創業60年の老舗、井上真珠店に勤務。現在は暖簾分けされた宇和島イノウエパールの代表。
パール専門小売店にて「お客様一人一人と向き合う接客」をモットーに、お客様の希望や体型をヒアリングの上、仕入れから最終仕上げまでを行い、累計1,000本以上のネックレスを販売してきました。