バロックパールとは | 貝の種類で変わる形と選び方、着けてよい場面
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バロックパールとは?貝の種類で変わる形と、選び方・着ける場面

バロックパールとは、形が丸くない、いびつな真珠のことです。涙形やライス型、ボタン型など、同じ形のものは二つとありません。

丸い真珠にくらべて手ごろなことが多く、その一方で、形の個性を好んで選ぶ方も多い真珠です。

この記事では、貝の種類ごとの形の違い、選ぶときに見るところ、着けてよい場面を、産地宇和島の真珠専門店が解説します。

バロック真珠とは

バロックパールを使ったブローチ

大きく形の崩れた真珠を、バロック真珠と呼びます。自然が生み出す形なので、一つひとつが違います。

アコヤ真珠など多くの真珠は、貝の体内に入れた核のまわりに、真珠層が巻いてできあがります。

うまく育てば、まん丸い真珠になります。ただ、真珠貝は生き物なので、多くの真珠は育つうちに少しずつ歪みます。

その歪みが大きく出たものが、バロック真珠です。

ちなみに、16〜18世紀のヨーロッパで流行した芸術様式の「バロック」は、「いびつなもの」を意味するこの真珠の呼び名が語源とされています。

真珠の種類で、形も色も変わる

バロックの出方は、真珠を育てる貝によって大きく違います。まずは4種類を見比べてください。

種類形の出方色主な産地
アコヤ真珠丸が崩れた形が多い。涙形はまれホワイト・ピンク・クリームなど日本
白蝶真珠涙形など、整った形が出るホワイト・グレー・ゴールドオーストラリア・東南アジア
黒蝶真珠個性の強い形が多いブラック〜グレータヒチ
淡水真珠十字・四角・星形など、形の幅が広いホワイト・オレンジ・パープルなど中国
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涙形のバロックを探すなら、白蝶真珠・黒蝶真珠・淡水真珠から選ぶのが近道です。

アコヤ真珠のバロックパール

アコヤ真珠のバロックパール

日本産のアコヤ真珠のバロックは、丸が崩れたような形になることが多く、涙形のように整ったものはまれです。

アコヤ貝は海外の真珠貝にくらべて小さく繊細です。きめ細かいてりを持つ一方で、海外の貝ほど極端な育ち方はしません。

白蝶真珠のバロックパール

南洋白蝶真珠のバロックパール

白蝶真珠からは、個性的で美しい形のバロックが採れます。

白蝶貝は大型で生命力の強い貝なので、ときに極端な育ち方をします。涙形などの整ったバロックは、いまは白蝶真珠が王道といえます。

  • 南洋真珠とも呼ばれる
  • 10mm以上の大粒が多い

黒蝶真珠のバロックパール

タヒチ黒蝶真珠のバロックパール

黒蝶真珠は、自然に黒い色が出る真珠です。この黒蝶真珠からも、個性的なバロックが生まれます。

黒いバロックパールといえば、黒蝶真珠が代表です。

  • 主な産地のタヒチにちなんで、タヒチ真珠とも呼ばれる
  • ゴールドやホワイトもまれに生まれる
  • 緑の干渉色が強いものは「ピーコックグリーン」と呼ばれ、珍重される

淡水真珠のバロックパール

淡水真珠のバロックパール

淡水真珠の多くは、核を使わずに育てます。形を決める芯が無いので、自由な形に育ちやすい真珠です。

核が無いので、珠の中まで真珠層でできています。

近年は核を入れて育てる淡水真珠もあり、大粒のものや、形をつけた核で十字などに仕上げたものもあります。

中国で大量に生産され、安価なイメージの強い淡水真珠ですが、高品質で値の張るものもあります。同じ淡水真珠でも、てりの強さには大きな差があります。

バロックに近い真珠(マベ・ケシ・双子)

厳密にはバロックと呼ばないものや、バロックの仲間に入れられるものもあります。よく一緒に並べられる3つを紹介します。

マベ真珠とは

マベパールのイヤリング

美しい輝きを持つ半円の真珠です。アコヤ真珠などが貝の体内に核を入れるのに対して、マベ真珠は貝殻の内側に核を貼りつけて育てます。

できあがった真珠は片面が貝殻とつながっているので、裏側を削って製品にします。

厳密にはバロックではありません。ただ、丸や涙形に仕立てることが多く、涙形のバロックと比べられることがよくあります。

マベパールの裏側

  • 裏面のない半円の真珠
  • 日本では鹿児島県の奄美諸島で生産される
  • 10mm以上のものが多い

ケシ真珠(芥子珠)とは

ケシパール

海の真珠貝から採れる、核のない小さな真珠をケシ真珠と呼びます。アコヤ真珠・白蝶真珠・黒蝶真珠のケシがよく知られています。

できる理由は、3つが考えられています。養殖で入れた核が貝の外に出てしまい、一緒に入れた組織だけで育ったもの。偶然できたもの。はじめから核を入れずに育てたものです。

どの理由でできたかを、あとから見分けるのは難しいとされています。

核が無いので、個性的な形のものが多くなります。

アコヤ真珠のケシはごく小粒なものが多く、白蝶真珠や黒蝶真珠のケシはそれより大きめです。

ただ、淡水真珠を核にして育てた真珠など、ケシと見分けにくいものも出回っています。ケシとして売られている真珠が、すべて核を持たないとは限りません。

ケシパールの裏側

  • もとになる真珠の色を映して、さまざまな色がある
  • ライス型が多い

双子珠(双子真珠)とは

アコヤ真珠の双子珠

2つの真珠がくっついてできた真珠を、双子珠(双子真珠)と呼びます。

アコヤ真珠の養殖では、1つの貝に核を2つ以上入れることがあります。その核どうしが偶然くっついて育ったものが双子珠です。

偶然できるいびつな形なので、バロックの仲間に入れられます。国内産のアコヤ真珠でもよく見られ、人気があります。

ただ、2つの珠は真珠層でつながっているだけなので、比較的壊れやすい点にご注意ください。

  • 主にアコヤ真珠で見られる
  • もとになる真珠の色を映して、さまざまな色がある

バロックパールの選び方

バロックは一つずつ形が違います。それでも、品質の見どころは丸い真珠と変わりません。見るのは次の4つです。

1. てり
真珠の品質でいちばん大事なのは、てり(真珠層が生む輝き)です。形がいびつでも、これは丸い真珠と同じです。

詳しくは真珠のてりについての記事で解説しています。

2. 巻き
アコヤ・白蝶・黒蝶のように核のある真珠は、核のまわりの真珠層の厚さ(巻き)を見ます。核を使わずに育てた淡水真珠は、中まで真珠層です。

3. キズ
形の凹凸は、キズとは別のものです。品質の格付けでも、形とキズは分けて評価します。

キズがあるときは、着けたときに目に入る位置かどうかを確かめてください。

4. 形の好み
涙形(ドロップ)、ポテト型、ライス型、突起のある形などがあります。

整った涙形は評価が高く、値も上がります。それ以外の形は、好みで選んでよいところです。

ネックレスの場合は、たくさんの珠を並べるので、形・色・てりの揃い方も見てください。ばらばらの形を楽しむものと、似た形で揃えたものとでは、印象がかなり変わります。

値段については、てり・キズ・大きさが同じなら、丸い真珠のほうが高く、バロックは手ごろになります。ただ、バロックの中でも、形の整った大粒の涙形は評価が高く、高額になるものもあります。

どんな場面で着けるか

形の個性が出るバロックは、普段使いやお出かけに向いた真珠です。カジュアルな服にも合わせやすく、気負わずに着けられます。

お葬式では、はっきりしたバロックは避けるのが無難です。弔事では丸に近い控えめな真珠が基本で、揺れるドロップ型のイヤリングやピアスも避けるとされています。

場面ごとの決まりは、こちらの記事にまとめています。

本物かどうかは、形では分からない

いびつな形だから本物、とは限りません。模造真珠にも、わざとバロック風の形に作ったものがあります。

見分け方は、丸い真珠と同じです。

イノウエパールのバロックパール

当店のバロックパールは、てりの強い珠を選んで仕立てています。

アイテム商品真珠価格(税込)
ピアスドロップパールピアス K14WG淡水真珠(中国産)・約5mm・ホワイト・極強てり17,600円
ペンダントバロック淡水パールペンダント SV925淡水真珠(中国産)・8〜10mm・ホワイト系・強てり9,900円
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バロックのため、珠の形は一つずつ異なります。価格は2026年9月時点の、オンラインストアでの価格です。

まとめ

バロックパールは、形が丸くない真珠です。欠点としてではなく、形の個性として選ばれています。

形の出方は貝の種類で変わります。整った涙形は白蝶真珠・黒蝶真珠・淡水真珠に多く、アコヤ真珠ではまれです。

選ぶときは、丸い真珠と同じように、まずてりを見てください。お葬式には丸に近い真珠を、普段の装いにはバロックを、と使い分けると迷いません。

参考文献
小松博 監修『真珠事典 真珠、その知られざる小宇宙』真珠科学研究所,2015
小松博・上村逍・増渕邦治『真珠の知識と販売技術』繊研新聞社,2002